南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率は「60%〜90%程度以上」(地震本部)。名古屋市は最大震度7、港区に最短96分で津波が来ると想定しています。この記事では、名古屋市などの公式情報をもとに、被害想定・ハザードマップ・避難所・7日分の備蓄・臨時情報・耐震化の支援制度をまとめます。

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この記事のポイント

  • 南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率は「60%〜90%程度以上」または「20%〜50%」(地震調査研究推進本部。計算モデルで2通り)。
  • 名古屋市の想定は最大震度7・津波は港区で最短96分(あらゆる可能性を考慮した最大クラス)。自分の地域の危険は「なごやハザードマップ」で確認できます。
  • 備蓄は7日分が目安(名古屋市)。自分で家具を固定するのが難しい世帯には無料のボランティア派遣、木造住宅には無料の耐震診断と改修の助成があります。

南海トラフ地震はどのくらいの確率で起きる?

地震調査研究推進本部(地震本部)は、南海トラフで今後30年以内に大きな地震が起きる確率を「60%〜90%程度以上」(すべり量依存BPTモデル)、「20%〜50%」(BPTモデル)の2通りで示しています(2025年9月26日公表の長期評価の一部改訂)。確率のランクはいずれも「Ⅲランク(高い)」です。地震本部は、確率の値が必要な場合は「疑わしいときは行動せよ」という考え方から、高い方の値(60%〜90%程度以上)を念頭に行動してほしいとしています。

名古屋の被害想定は?震度・津波・死者数

名古屋市は、南海トラフで起こる2つのタイプの地震を想定して被害予測調査を行い、2014年2月に公表しています。「過去の地震を考慮した最大クラス」は過去に実際に起きた地震をもとにした想定、「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」は起こりうる最大規模の想定です。

項目過去の地震を考慮した最大クラスあらゆる可能性を考慮した最大クラス
最大震度6強7
津波の到達時間(津波高30cm)最短102分(港区)最短96分(港区)
最大津波高2.1m(港区)2.4m(港区)
死者(冬・深夜)約1,400人約6,700人
対策をした場合の死者約100人約1,500人
建物の全壊・焼失(冬・夕方18時)約15,000棟約66,000棟

名古屋市によると、この想定は住宅の耐震化率約84%、家具の転倒防止の実施率約55%という当時の現状を前提にしています。表の「対策をした場合の死者」は、耐震化率と家具の転倒防止の実施率をともに100%にし、全員が発災後すぐに避難を始めるなどの対策をすべて実施した場合の推計です。津波避難ビルの指定対象区域は中村区・瑞穂区・熱田区・中川区・港区・南区・緑区の7区です。

ハザードマップはどこで見られる?

名古屋市の「なごやハザードマップ」には、想定しうる最大規模の洪水・内水氾濫・高潮に加えて、地震・津波・ため池氾濫など、すべての災害が掲載されています。区ごとのマップがあり、自宅や職場、通勤・通学路の危険を事前に確認しておきましょう。地震ハザードマップでは、震度・液状化・避難場所などを確認できます。

スマートフォンでは「名古屋市防災アプリ」(iOS・Android)が使えます。プッシュ通知での防災情報、ハザードマップ、マイ・タイムライン(自分の避難行動の計画)、防災クイズ、緊急ブザーなどの機能があり、多言語に対応しています。

どこへ避難する?避難場所と避難所の違い

種類どんな場所か(名古屋市の説明)
指定緊急避難場所命を守るため、災害の危険からまず逃げるための場所(災害の種類ごとに異なる)
指定避難所自宅が被災して帰れない場合に、一定期間避難生活を送るところ
津波避難ビル高台に行く時間がない場合や近くに高台がない場合に、一時的に避難する施設

名古屋市では、住んでいる区・学区にかかわらず、だれでも最寄りの施設に避難できます。ペットとの同行避難は、原則として市立の小・中学校で受け入れます。施設の一覧は名古屋市のオープンデータで区ごとに公開されています。

何をどれだけ備蓄すればいい?

名古屋市は、備蓄は7日分を目安に準備し、そのうち3日分程度を非常持出品として用意するよう呼びかけています。家庭では、最低3日から7日分×人数分の食料や飲料水の備蓄が望ましいとしています。市も避難所の避難者向けに発災後3日分の食料や毛布などを備蓄していますが、避難所に向かうときは各自で持っていくよう案内しています。

  • ローリングストック:ふだん食べている食品を少し多めに買い置きし、使った分を買い足して、常に一定量を備える方法。名古屋市もすすめています
  • 非常持出品:3日分程度を鞄などに準備しておく
  • 農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」も参考になります

「南海トラフ地震臨時情報」が出たらどうする?

気象庁は、南海トラフ沿いで異常な現象が観測されると、まず「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表し、専門家による評価を経て、最短2時間程度で「巨大地震警戒」または「巨大地震注意」などを発表します。種類と求められる行動は次のとおりです。

情報発表される主な条件(気象庁)求められる行動(名古屋市)
巨大地震警戒想定震源域内のプレート境界でM8.0以上の地震が起きたと評価した場合2週間、特別な備えを継続。事前避難対象地域の住民は1週間の事前避難
巨大地震注意監視領域内でM7.0以上の地震が起きたと評価した場合など1週間、日ごろの備えを再確認し特別な備えを継続
調査中/調査終了評価のための調査を行っている、または調査が終わった場合続報を確認する

名古屋市によると、臨時情報が出ても社会経済活動は基本的に継続されます。事前避難対象地域は、名古屋市内では5区21学区の一部地域です。気象庁によると、M7.0以上の地震の発生後7日以内にM8クラス以上の後発地震が起きる頻度は「概ね百回に1回程度」、M8.0以上の地震の後では「概ね十回に1回程度」です。名古屋市は、巨大地震警戒のときは平常時に比べて地震が起きる可能性が百倍程度高い状態としています。発表されたら、備えを必ず確認しましょう。

耐震診断・家具の固定に使える名古屋市の制度は?

制度内容(名古屋市)
木造住宅の無料耐震診断昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅(在来構法・伝統構法、2階建て以下)が対象。昭和56年6月〜平成12年5月着工の木造住宅にも無料診断があります
木造住宅の耐震改修助成市の無料耐震診断で判定値1.0未満となった木造住宅(昭和56年5月31日以前着工・2階建て以下など)が対象。耐震改修工事費の5分の4以内で、一般改修は一般世帯で最大115万円、非課税世帯で最大165万円(1住戸あたり。段階的改修は別の上限額)
家具転倒防止ボランティア派遣自分で家具の転倒防止対策をするのが難しい世帯が対象。家具の固定作業を原則1世帯3つまで無料で行う(1世帯原則1回まで・器具などの材料費は自己負担)。区の消防署または区役所、電子申請で申し込み

外出中に地震が起きたら?帰宅困難者対策

名古屋市は、大地震で交通機関が止まったときは「むやみに移動を開始しない」よう呼びかけています。名古屋駅、伏見・栄、金山駅の周辺地区では、一時退避場所や退避施設(発災から24時間を限度に受け入れ)が用意されています。歩いて帰る人は、コンビニやガソリンスタンドなどの「徒歩帰宅支援ステーション」で水道水やトイレなどの支援を受けられます(店舗入り口などのステッカーが目印)。家族との連絡には、NTTの災害用伝言ダイヤル(171)も使えます。

名古屋で防災を体験できる場所は?

港区の「名古屋市港防災センター」では、地震や災害について体験しながら学べます。入場・体験は無料です。

施設名名古屋市港防災センター
住所名古屋市港区港明1-12-20
開館時間9:30〜16:30(体験は16:00まで)
休館日毎週月曜(祝日の場合は直後の平日)、毎月第3水曜、12月29日〜1月3日
料金入場・体験無料
電話052-651-1100

よくある質問

名古屋の想定最大震度は?

名古屋市の想定では、過去の地震を考慮した最大クラスで震度6強、あらゆる可能性を考慮した最大クラスで震度7です(2014年2月公表)。

名古屋に津波は来る?

想定では、港区に最短96〜102分で津波(津波高30cm)が到達し、最大津波高は2.1〜2.4mです。津波避難ビルの指定対象区域は中村・瑞穂・熱田・中川・港・南・緑の7区です。

避難所は住んでいる学区のところへ行かないといけない?

名古屋市では、行政区・学区にかかわらず、最寄りの施設に避難できます。

備蓄は何日分必要?

名古屋市は7日分を目安とし、そのうち3日分程度を非常持出品として準備するよう呼びかけています。

まとめ

南海トラフ地震に備えて、まずは「なごやハザードマップ」で自宅周辺の危険と避難場所を確認し、7日分を目安に備蓄を始めましょう。家具の固定や住宅の耐震化には、条件に合えば名古屋市の無料・助成制度が使えます。臨時情報が出たときに慌てないよう、家族で連絡方法と避難先を話し合っておくことも大切です。

出典:地震調査研究推進本部「南海トラフ」/名古屋市「震度分布・津波高等」/名古屋市「被害想定」/なごやハザードマップ/名古屋市「南海トラフ地震臨時情報」/気象庁「南海トラフ地震臨時情報の発表条件」(2026年10月23日取得)
※アイキャッチはAIで生成したイメージです。

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NAGOYAJIN 編集部。1987年生まれの生粋の名古屋人。名古屋の旬でホットな情報を届けていきます!