「名古屋で家を買うなら、どの区が安心?」「子どもを育てる街として、本当に治安がいいエリアはどこ?」――今回はその答えを、感覚ではなく愛知県警察が公表する刑法犯認知件数データで見てみました。

結果からお伝えすると、名古屋市16区のうちもっとも治安が良いのは天白区。逆に認知件数が突出しているのは、繁華街を抱える中区と、新幹線・名駅を抱える中村区でした。ただし「治安が悪い区=危険な区」とは限らない、というのが今回いちばん伝えたいことです。

🛡️ 名古屋市16区 治安ランキング(人口10万人あたり認知件数)

愛知県警が公表する区別の刑法犯認知件数を、各区の人口で割って「人口10万人あたり何件」に揃えたのがこのランキングです。母数を揃えないと、人口の多い区が一方的に不利になるので、必ず「人口比」で比べます。

順位(治安良い順)人口10万人あたり認知件数キャラクター
1位天白区約460件ファミリー住宅地・大学密集
2位緑区約470件名古屋市最大の郊外住宅地
3位名東区約490件区画整理済の上品な住宅街
4位守山区約510件子育て世代に人気急上昇
5位港区約530件工業地帯+住宅地ミックス
6位南区約560件下町情緒の住宅地
7位北区約580件地下鉄沿線の住宅街
8位瑞穂区約600件文教地区・閑静
9位千種区約650件覚王山〜今池の二面性
10位昭和区約670件名古屋大学周辺の文教エリア
11位東区約720件古い屋敷町+オフィス街
12位西区約780件下町商店街+住宅地
13位熱田区約810件熱田神宮・住宅密集
14位中川区約840件名古屋市最人口・住宅地
15位中村区約1,400件名駅・繁華街・歓楽街
16位中区約2,800件栄・大須・錦の中心地

※認知件数は愛知県警「警察署別・市区町別 刑法犯認知件数」の公表値、人口は名古屋市住民基本台帳ベースの直近年度概数で算出。年度により変動あり。

🏆 1位「天白区」と2位「緑区」――”住宅街として完成された区”が強い

もっとも治安の指標が良いのは天白区。続いて緑区名東区守山区と、いずれも「名古屋市の周縁部にある計画された住宅地」が並びます。これらの区に共通するのは、繁華街・歓楽街がほぼ存在しないこと、そして地下鉄沿線かつ大規模な戸建て・分譲マンションが整備されていることです。

たとえば名東区は、地下鉄東山線で栄まで一本という抜群の立地ながら、夜になれば人通りはぐっと少なくなるベッドタウン。緑区は徳重・有松エリアの大規模住宅開発で人口が長く増え続けており、ファミリー層が多く流入する街です。「住むためだけに最適化された街」が、結果として治安スコアの上位に並ぶ構図です。

🌃 中区が断トツ最下位なのは”危険”だからではない

注目してほしいのが、最下位の中区。人口10万人あたり約2,800件という数字は、1位の天白区と比べて6倍以上の差です。

ただ、この数字を「中区=危ない街」と読むのは早計です。理由はシンプルで、分母の人口が小さく、分子の昼間人口・来街者が圧倒的に多いから。栄・大須・錦の繁華街には、休日になると夜通し数十万人単位で人が出入りします。彼らが起こした犯罪も、被害も、すべて「中区の認知件数」としてカウントされる仕組みです。

つまり中区の数字は、「住んでいる人の体感治安」ではなく、「街として吸収している人流の大きさ」を表しているのが実態。中村区が15位なのも、同じ理屈で説明できます。名駅と西口の歓楽街が分母を超えるイベント・出張人口を抱えているためです。

📍 体感治安が変わる「区の中の境界線」

もうひとつ重要なのは、同じ区内でもエリアによって治安は大きく違うという点です。具体例を3つだけ挙げます。

  • 千種区:覚王山・池下エリアは超高級住宅地で体感治安は抜群、一方で今池駅周辺は飲み屋街でトラブルが集中する
  • 昭和区:八事・滝川町は文教地区で静か、桜山・御器所周辺は商業エリアで賑やか
  • 東区:白壁・主税町は古い屋敷町で穏やか、新栄寄りはオフィス+飲食街

区単位の数字は便利ですが、家を選ぶときは「区+最寄駅+徒歩圏」までブレイクダウンして考えるのがベターです。

👮 名古屋全体の治安は「全国平均より良い」

余談ですが、名古屋市全体の刑法犯認知件数(人口10万人あたり)は、三大都市の中では低水準です。東京都区部・大阪市と比べると、名古屋市の数字はおおむね2〜3割少ない水準。「名古屋走り」のイメージから治安への不安を語られがちですが、データで見るかぎり、名古屋は大都市としては比較的安全な街と言えます。

🔍 まとめ:治安ランキングを”住む街選び”に使うコツ

  1. 区単位の数字は人口10万人比でみる(絶対数だけだと人口の多い区が必ず不利)
  2. 繁華街を持つ区は分母(昼間人口)の影響を強く受けると理解する
  3. 同じ区でも駅・町丁レベルで体感は大きく変わるので最終確認は現地で
  4. 住宅地としての「静けさ」を重視するなら天白・緑・名東・守山がデータ的に強い

「賑やかな街に住みたい」のか、「閑静な住宅街に住みたい」のか、人によって正解は変わります。データはあくまで地図のひとつ。最終的には実際にその街を歩いて、夜の雰囲気・住人の年齢層・道路の照明・公園の様子まで見て決めるのがいちばん納得感があります。

📚 出典

愛知県警察「警察署別・市区町別 刑法犯認知件数」、名古屋市「住民基本台帳人口」
※公表されている直近年次データを参照。記事内の数値は概数で、年度により増減あり。最新値は愛知県警察公式サイトを要確認。

 

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NAGOYAJIN 編集部。1987年生まれの生粋の名古屋人。名古屋の旬でホットな情報を届けていきます!