「愛知県で一番稼いでいる街はどこ?」「自分の住んでいる市町村は、所得的にどのへんなんだろう?」――そんな疑問に答えるべく、総務省が2025年3月31日に公表した最新データ(令和6年度 市町村税課税状況等の調)をもとに、愛知県主要49市町村の平均所得ランキングを作成しました。

結果から先にお伝えすると、愛知県内1位は長久手市(平均所得 約531万円)、全国でも23位という高水準。一方で、ランキング下位を見ると、市町村による所得格差が「1.5倍以上」あることもわかってきました。

「住みたい街」と「お金が集まる街」は必ずしも一致しない――そんな視点でこの記事を読んでいただければと思います。

📊 愛知県 平均所得ランキング TOP10

愛知県内順位市町村名平均所得給与年収換算全国順位
1位長久手市5,311,692円約712万円全国23位
2位日進市4,617,095円約632万円全国45位
3位名古屋市4,555,344円約624万円全国49位
4位みよし市4,535,901円約622万円全国52位
5位刈谷市4,514,417円約619万円全国55位
6位大府市4,377,621円約602万円全国75位
7位安城市4,194,414円約579万円全国97位
8位豊田市4,120,870円約570万円全国109位
9位尾張旭市4,092,217円約566万円全国115位
10位東郷町4,062,630円約563万円全国117位

🏆 1位「長久手市」が圧倒的な理由

愛知県内ぶっちぎりの1位は長久手市。平均所得は531万円と、2位の日進市を約70万円も引き離しています。全国でも23位にランクインしており、東京23区と肩を並べるレベルの高所得エリアです。

長久手市の強さの理由は、ざっくり言うと以下の3点に集約されます。

  • 愛知県随一の若年高学歴層の集積:愛知県立大学・愛知淑徳大学などキャンパスを抱え、大学関係者・研究者・大手企業勤務世帯が多い
  • 名古屋市・トヨタ系両エリアへの抜群の通勤利便性:リニモで名古屋中心部、車で豊田・三河エリアへもアクセスしやすい
  • イオンモール長久手・愛・地球博記念公園周辺の住宅地化:万博跡地の計画的開発による街の若返り

「愛知県の田園調布」「東京でいう武蔵野市」と例えられることもありますが、データで見るとそのポジショニングはあながち外れていません。

🚗 上位を埋め尽くす「自動車経済圏」の強さ

TOP10をもう一度よく見てみると、ある共通点が浮かび上がります。

みよし市(4位)、刈谷市(5位)、大府市(6位)、安城市(7位)、豊田市(8位)――いずれもトヨタ自動車および関連企業(デンソー・アイシン・豊田自動織機など)の本社・主要工場が集中するエリアです。世界的自動車産業の中枢が、そのまま自治体の所得水準を押し上げている構図がデータで明確に裏付けられています。

とくに注目したいのが、「企業城下町」と「ベッドタウン」の所得差です。みよし市(自動車部品メーカー集積)と日進市(名古屋通勤住宅地)はほぼ同水準ですが、街の性質はまったく違います。「働く場としての豊かさ」と「住む場としての豊かさ」が、それぞれ別のロジックで所得を生んでいるわけです。

🏙️ 名古屋市が「3位」に留まる意外な事実

愛知県の中心都市である名古屋市は、平均所得455万円で愛知県内3位。全国順位では49位と、けっして低くはありませんが、長久手市・日進市に劣後している点は意外に感じる方も多いはずです。

これは、名古屋市が人口233万人を抱える政令指定都市であり、富裕層も低所得層も含めた「平均」が出るためです。名古屋市内16区別に見ると、千種区・名東区など東部エリアは長久手市に匹敵する水準であり、市全体の数値だけでは語れない実態があります。

📉 ランキング下位=住みにくい街、ではない

気になる愛知県内の下位を見てみると、南知多町、津島市、田原市、美浜町などが並びます。最下位の南知多町は平均所得346万円で、TOP1の長久手市と比較すると約1.53倍の格差があります。

ただし、これは「住みにくさ」を意味するものではありません。下位エリアの多くは、

  • 農業・水産業など第一次産業が中心の地域
  • 高齢者比率が高く、年金生活者が多い地域
  • 住宅価格・物価が安く、可処分所得ベースで見ると別の評価になる地域

といった特徴があり、所得の数字が低いことと「暮らしの豊かさ」は必ずしも一致しません。実際、知多半島南部や渥美半島は、海沿いの暮らしや食文化の豊かさで根強いファンを持つエリアでもあります。

📋 愛知県 平均所得ランキング 完全版(49市町村)

順位市町村名平均所得給与年収換算
1長久手市5,311,692円約712万円
2日進市4,617,095円約632万円
3名古屋市4,555,344円約624万円
4みよし市4,535,901円約622万円
5刈谷市4,514,417円約619万円
6大府市4,377,621円約602万円
7安城市4,194,414円約579万円
8豊田市4,120,870円約570万円
9尾張旭市4,092,217円約566万円
10東郷町4,062,630円約563万円
11岡崎市4,043,326円約560万円
12知立市4,010,127円約556万円
13飛島村3,949,044円約548万円
14東海市3,945,271円約548万円
15半田市3,919,411円約545万円
16東浦町3,902,733円約543万円
17春日井市3,894,528円約542万円
18豊明市3,873,947円約539万円
19幸田町3,869,635円約538万円
20豊山町3,837,789円約534万円
21阿久比町3,834,884円約534万円
22清須市3,815,040円約532万円
23北名古屋市3,808,300円約531万円
24西尾市3,799,828円約530万円
25碧南市3,793,541円約529万円
26江南市3,783,231円約528万円
27大口町3,774,515円約527万円
28一宮市3,769,122円約526万円
29豊橋市3,761,412円約525万円
30瀬戸市3,751,097円約524万円
31稲沢市3,750,939円約524万円
32知多市3,732,880円約522万円
33高浜市3,726,285円約520万円
34扶桑町3,725,228円約520万円
35弥富市3,690,513円約516万円
36あま市3,686,814円約516万円
37蟹江町3,679,274円約515万円
38岩倉市3,671,629円約514万円
39犬山市3,639,765円約510万円
40武豊町3,613,795円約506万円
41豊川市3,595,199円約504万円
42蒲郡市3,575,447円約502万円
43常滑市3,562,460円約500万円
44大治町3,547,225円約498万円
45愛西市3,518,496円約495万円
46美浜町3,499,859円約492万円
47田原市3,498,885円約492万円
48津島市3,495,525円約492万円
49南知多町3,464,474円約488万円

📌 データの読み方と注意点

このランキングは、総務省が公表している「市町村税課税状況等の調」のデータをもとに、「課税対象所得」を「所得割の納税義務者数」で割った値を平均所得としています。「給与年収換算」は、所得控除額(給与所得控除など)を加味して年収に逆算した参考値です。

注意点として、

  • 住民全員ではなく、「住民税の所得割を納めている人」のみの平均
  • 給与所得だけでなく、事業所得・不動産所得・譲渡所得なども含まれている
  • そのため、純粋な「給与の平均」ではない(数字はやや高めに出やすい)

とはいえ、市町村ごとの相対的な経済力の比較指標としては、もっとも信頼性の高い公的統計のひとつです。

🔍 まとめ:愛知県の所得地図から見える3つの傾向

今回のランキングを通して、愛知県の所得構造には3つの明確な傾向が見えてきました。

  1. 名古屋市東部〜尾張東部の「住宅エリア」が高所得(長久手・日進・東郷など)
  2. 三河中部の「自動車産業エリア」が同水準(みよし・刈谷・豊田・安城など)
  3. 渥美半島・知多半島南部・尾張西部に下位が集中(一次産業・高齢化エリア)

つまり愛知県は「ベッドタウン経済圏」と「製造業経済圏」という2大エンジンで支えられており、それ以外のエリアとの差が広がっている、というのが現代の所得地図です。

引っ越し先を探している方、新規出店を検討している事業者の方、自分の街を見つめ直したい方にとって、この数字はひとつの判断材料になるはずです。

📚 出典

総務省「令和6年度 市町村税課税状況等の調」(2025年3月31日公表)
※集計値は zeimo.jp が公開している全国市区町村別ランキングデータを参照
※愛知県内の主要49市町村について比較

本記事のデータは2025年3月時点の最新公表値です。情報の正確性には十分配慮していますが、最新の数値については総務省公式サイトをご確認ください。

 

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NAGOYAJIN 編集部。1987年生まれの生粋の名古屋人。名古屋の旬でホットな情報を届けていきます!