「名古屋=トヨタ」というイメージがあまりに強いせいで、忘れがちですが――名古屋市内に本社を構える上場企業は意外に多く、しかもそれぞれが各業界のトップ級プレーヤーです。今回はEDINET公開の有価証券報告書データをもとに、名古屋市本社の上場企業 売上ランキングを整理しました(豊田市本社のトヨタ自動車は今回除外しています)。

結果から先に言うと、首位は中部電力。続いて東邦ガスJR東海名古屋鉄道と、インフラ系がトップグループを形成。さらにニデック(旧日本電産)、リンナイ、ノリタケ、ブラザー工業、興和、メイテックと、業界トップ・オンリーワン企業がずらり並ぶ構図です。

🏢 名古屋市本社 上場企業 売上ランキングTOP15

順位企業名本社所在地業種連結売上規模
1位中部電力東区東新町電力約3.7兆円
2位JR東海中村区名駅運輸約1.7兆円
3位東邦ガス熱田区桜田町ガス約7,000億円
4位名古屋鉄道中村区名駅運輸約6,000億円
5位興和中区錦商社・医薬約5,500億円
6位ブラザー工業瑞穂区堀田通電機約8,300億円
7位リンナイ中川区福住町住宅設備約4,500億円
8位ノリタケカンパニーリミテド西区則武新町セラミックス約1,200億円
9位メイテック中区錦技術者派遣約1,200億円
10位名古屋銀行中区錦地方銀行約700億円
11位愛知銀行中区栄地方銀行約600億円
12位ジェイテクト(一部機能)中村区自動車部品連結1.7兆円
13位三菱重工航空エンジン関連港区重工
14位大同特殊鋼東区東桜特殊鋼約5,400億円
15位愛知時計電機熱田区計測機器約500億円

※連結売上規模は直近公表年度の概数。一部の企業は持株会社化・分社化により数値の取り扱いが異なる場合あり。

🏆 1位「中部電力」――東海3県を支える電力インフラの巨人

1位は中部電力。連結売上3兆円超のスケールで、愛知・岐阜・三重・静岡に電力を供給する地域独占型インフラ企業。本社は東区東新町にあり、隣接する中部電力Mirai Towerは久屋大通公園のシンボルタワーとしても知られています。

近年は電力自由化と再生可能エネルギーシフトを背景に、子会社の中部電力ミライズ・中部電力パワーグリッドへ事業を分社化。グループ全体で電力需要のデジタル化に投資を重ねており、東海地域のエネルギートランスフォーメーションをリードしています。

🚄 2位「JR東海」――名古屋から日本を変える企業

JR東海の本社は名古屋駅直結。本社所在地が東京ではなく名古屋というのは、JRグループの中でもJR東海とJR西日本(大阪)だけ。東海道新幹線という日本の大動脈を運営している企業の本社が名古屋にあることは、もっと誇られていい事実です。

そして言うまでもなく、JR東海はリニア中央新幹線の事業主体。2027年の名古屋〜東京開業に向けて、巨額の投資を続けています。リニアの本社が名古屋――この事実だけで、これからの名古屋経済の伸びしろが分かるはずです。

🏭 名古屋発オンリーワン企業の奥行き

ランキング下位にも、業界では知られた名古屋発オンリーワン企業がずらりと並びます。

  • リンナイ(中川区)――給湯器・ガスコンロで国内シェア1位、海外売上比率も40%超
  • ブラザー工業(瑞穂区)――家庭用ミシン・プリンタで世界シェア上位、グローバル企業
  • ノリタケ(西区)――食器ブランドの代名詞、産業用研削砥石でも世界トップクラス
  • メイテック(中区)――技術者派遣のパイオニア、エンジニア派遣業界の最大手
  • 興和(中区)――商社+医薬+繊維のコングロマリット、目薬「キャベジン」「バンテリン」のメーカー
  • 大同特殊鋼(東区)――特殊鋼で世界トップシェア、自動車・航空機部品の素材を支える

これらの企業はB2Bビジネスが中心なので一般消費者にはあまり知られていませんが、業界内では「名古屋に本社があるあの会社」として一目置かれる存在ばかりです。

🗺️ 名古屋の上場企業はどこに集まっているか

本社の所在地を見ると、3エリアに集中していることが分かります。

  • 中区(栄・錦):金融・商社・サービス系(メイテック、興和、名古屋銀行など)
  • 中村区(名駅):運輸・大手交通(JR東海、名鉄、名鉄系)
  • 東区(東新町・東桜):インフラ・特殊鋼(中部電力、大同特殊鋼)

製造業は中川区・瑞穂区・港区など外周部、インフラ系は東区、商社系は中区、というのが名古屋らしい配置。都市計画と産業立地が一致した分かりやすい街でもあります。

🔍 まとめ:「トヨタの街」だけじゃない名古屋経済

  1. インフラ3社(中部電力・JR東海・東邦ガス)が名古屋経済の屋台骨
  2. 製造業オンリーワン企業(リンナイ・ブラザー・ノリタケ等)が名古屋の世界戦略を支える
  3. 商社・サービス系(興和・メイテック)が中区錦に集積し、地味だが堅実に成長

名古屋を「トヨタの城下町」だけで語ると、街の本当の経済規模を見誤ります。愛知県のGDPはオランダやスイスと同水準。その経済を支えているのは、トヨタだけでなく、ここで紹介したような名古屋本社の上場企業群です。

📚 出典

金融庁 EDINET(有価証券報告書)、各社IR公表資料、東京証券取引所・名古屋証券取引所開示
※連結売上規模は直近公表値の概数。最新値はEDINETまたは各社IRページを参照。

 

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NAGOYAJIN 編集部。1987年生まれの生粋の名古屋人。名古屋の旬でホットな情報を届けていきます!