M&Aが増加する背景には後継者不足問題があります。今回はM&Aに触れると見えてくるこの問題を考えます。
後継者不足の原因は「高齢化」
企業の経営者・従業員を後継する人材が不足する最大の原因は高齢化です。
10年前から団塊の世代の定年退職ラッシュがはじまり、一気に加速した印象があります。高齢化は2つの問題を引き起こします。
①現在会社にいるメンバーが高齢化して、後継者探しが急務となる
②生産年齢人口(元気な大人の数)が減少するので、後継者候補が減る
需要は増えているのに候補は減っているので、なかなか難しい状況にあるわけです。
後継者を増やす方法
親族に承継する
息子・娘など次世代の親族にバトンタッチする方法です。
家系を重んじる風土の会社であれば、従業員の理解が得やすくなるメリットがあります。
「優秀でモチベーションの高い次世代がたまたま親族にいた」という状況はなかなかレアケースですが、検討する価値はありそうです。
社員に承継する
社員を後継者にする方法です。親族に比べるとかなり現実的な案と言えます。
候補が多く、もともと現場で働き続けた人なので経営者・従業員との温度差も理解しており大きな失敗になる可能性は低くなります。
M&A
会社を買収してもらうことで、承継する方法です。M&Aには他記事で解説したようなメリットがあり、双方で利益を享受しつつ会社を存続させることができます。
M&A承継で大切なこと
買ってもらえるだけの会社であること
根本的な話になってしまいますが、M&Aの売り手は「買う価値がある会社」であることが前提です。
企業の価値が低いとそもそも買い手が見つからないので、この方法は使えなくなってしまいます。
どこまで承継できるかは買い手次第
ノウハウや技術的なことはともかく、細かい理念などまで承継してもらえるかは買い手によってさまざまです。後継者問題を重視するなら、初期段階でどこまで承継させることができるか見極める必要があるでしょう。